なぜ必要なの?法人税の中間納付|中間申告の必要性と仕組みを簡単解説

法人税の中間納付は何のためにあるの? なぜ一年に一回の納付ではダメなの? 法人税を支払わなければならない事業者にとって悩ましい中間納付。なぜ必要なのか、納付しなかった場合はどうなるのかをしっかりと理解できていますか? 今回はそんな中間申告・中間納付の疑問について、目的や仕組みを解説します。

法人税の中間納付とは

事業年度の中間、つまり年度開始から6ヶ月のときに申告し、納付するのが法人税の中間納付です。年度末に申告するのに、なぜ中間でやらなければならないのでしょう? 申告や納付の回数が多いと、なんだか損した気分になってしまいますよね。

でもこれには、しっかりと理由があるのです。その目的と内容を確認していきましょう。

法人税の中間納付の目的は?

納税の負担軽減が、中間納付の最も大きな目的です。確定申告の際に、まとめて多額の法人税を支払うのに比べ、中間で一度支払っておくことにより資金繰りのめどがつきやすくなります。

また、国や地方自治体など税金を受け取る側にとっても、財政収入が均等化され安定した税収が見込めることになるのです。

法人税の中間申告ってどんな方法があるの?

中間申告には2つの方法があります。

予定申告

予定申告は、基本的に前年度の法人税の2分の1を納付することになります。この計算方法は次のように規定されています。

「前事業年度の確定申告書に記載すべき法人税額を当該前事業年度の月数で除し、これに6を乗じた金額」
(法人税法第71条第1項第1号)

これを簡単な式にすると、次のようになります。

[ 前の事業年度の法人税額÷前事業年度の月数(基本は12ヶ月)×6 ]

予告申告では計算が比較的簡単で、税務署から送られてくる予定申告書に納付額を記入して提出するだけなので、手間もかかりません。

また、もし中間申告をしなかった場合でも、前期の実績から算出してくれるというメリットがあります。一方で、前年度に大きな収益があり、当期にはあまり収益がなかった場合には、資金繰りが厳しくなる恐れがあります。

仮決算に基づいた申告

もうひとつの方法が、仮決算に基づいた申告です。事業年度開始から6ヶ月が経過した時点での中間決算を行い、それに応じた課税所得に対し法人税率を掛けて納付額を算出します。

この方法では、前年度に大きな収益があり当期は収益が少なかった場合に、納付額を低く抑えることができます。しかし、中間決算をして申告しなければならないため、手間が増えるというデメリットがあります。

中間申告の対象はこんな人

前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える者に該当すると中間申告書を提出する必要があります。ただし、次のような法人は中間申告を行う必要がありません。

  • NPO法人
    中間申告は、非営利型法人を除く普通法人が対象とされているため、NPO法人は中間申告と中間納付の必要はありません。

  • 設立初年度の法人
    設立されて最初の事業年度中の法人は中間申告の対象となりません。

  • 前年の法人税納付額が20万円以下の法人
    前期実績に基づいた中間申告での納付額が10万円以下となるため、予定申告、仮決算に基づいた中間申告のどちらの対象にもなりません。

中間申告をしなかったらどうなる?

では、中間申告の対象者でありながら中間申告をしなかった場合はどのようなことが起こるのでしょうか。実はこれも、しっかり法人税法によって決められています。

法人税法第73条(中間申告書の提出がない場合の特例)には次のように定められています。

“中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、その普通法人については、その提出期限において、税務署長に対し第七十一条第一項各号(前期の実績による中間申告書の記載事項)に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。”

「中間申告書を提出期限までに提出しなかった場合には」「前期の実績による中間申告書」「提出があったものとみなして」とありますね。

ここでもう一度、前述で説明した中間申告の方法のひとつ、予定申告を見てみましょう。予定申告では、申告書を出さなかった場合には自動的に前期の実績から納付額が算出されることになります。つまり、中間申告書を提出しなかった場合にも、大きなデメリットは発生しないというわけですね。

ただし、仮決算による申告を行った方がメリットが多い場合、つまり前期は大きな収益があったのに今期はパッとしない場合には注意が必要です。前期の収益をもとに納付額が算出されてしまうので、あまり収益のない厳しいタイミングで納税しなければならなくなるのです。

まとめ

中間納付は、納税する側・納税される側双方にとってメリットのある仕組みです。基本的には手間のかからない予定申告を利用し、特別な場合のみ仮決算による申告を行うよう勧める税理士が多く、大部分の事業者もその方法をとっているようです。経営の立場にいる方は、中間納付の目的と、2つの方法があることだけでも理解しておきましょう。

 

参考:

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Back Office Heroes編集部