株主名簿の重要性を知らないの?記載する内容と管理方法を解説!

株主名簿の重要性をご存知でしょうか? 特に、企業で株主と向き合うことの多い部署の人は、株主名簿の重要性を理解しておく必要がありますが、「名前は知っているけど……」という人が多いかもしれませんね。今回は、それほど詳しくない人のために、株主名簿の重要性、記載すべき内容や管理方法など、意外と知られていない株主名簿について解説します。

株主名簿とは?

株主名簿とは、読んで字のごとく、株主に関する基本的な情報が載っている名簿になります。株主名簿の作成は、株主の人数や株券発行をしているかどうかなどは関係なく、会社法ですべての株式会社が会社設立時に作成を義務付けられています。

つまり、株主が少なくても、株券を発行していなくても、株主名簿の作成義務はあるということです。また、株式を相続したり譲渡されたりした場合には、株主名簿の記載事項を更新する必要があります。仮に、株主名簿を整備せずに放置しておくと、会社法第976条によって100万円以下の過料になる場合があります。

株主名簿の重要性

そもそも、株主名簿が義務化されている大きな理由は、株主が会社に対して大きな権力を有しているからです。例えば、株主は会社の株主総会で役員を選任できるという権利を持っています。会社の役員は会社のかじ取り役になるので、非常に重要な役職です。

役員を選任する権利を株主は有しており、仮に51%以上の株式を持っていれば総会を独断で開催できるため、役員の選任や解任などを自由に行えるということです。

このように、会社にとって影響力のある株主を会社が把握しないわけにはいかないので、株主名簿の作成や更新を義務化しているというわけです。

ただ、非上場の家族経営や、古くから付き合いのある取引先のみが株主の場合はそこまで重要でない場合もあります。このようなケースは、株主が会社に対して何かを要求することが少ないからです。

一方、大株主がいる大企業などはその大株主の権利が強いので、株主への対応はきちんとしなければいけません。特に、「アクティビスト」と言われる、いわゆる「もの言う株主」がいる場合にはしっかりとした対応が求められます。

アクティビストは、会社の役員選任はもちろん、経営方針や株主還元などを強く求めてきますので、株主への対応は非常に重要になるのです。これは、VC(ベンチャーキャピタル)が大株主となっているスタートアップの企業にも同じことが言えます。

株主名簿に記載すべき内容

株主名簿には以下のような点が記載されています。

  • 株主の氏名または名称・氏名
  • 株主が所有している株式の数
  • 株主が株式を取得した日
  • 株券を発行している場合は株券の番号

株式には、普通株式や優先株式などの種類があります。そのため、所有している株式は「普通株式100株」など種類を明示して記載しています。上記以外にも、質権を設定(担保提供)している場合には質権の登録内容の記載が必要で、株式を信託契約によって信託財産に供している場合には信託財産の表示がされます。

株主名簿の管理方法

会社にとって重要な株主名簿ですが、株主名簿は次のように会社法125条に基づいて管理方法が決まっています。

  • 原則は会社の本店に保管
  • 管理人を別途定めている場合は例外

基本的に、株主名簿は会社の本店に保管義務があります。ただし、管理人を別途定めている場合には、管理人や管理会社に保管することも可能です。

また、株主等からの開示要請があった場合には、正当な理由や権利に基づく要請であれば、株式会社はこの要請に応える義務があります。このようなときに、株主名簿の更新がされていない場合には、過料を科されるだけでなく株主からの信頼も地に落ちてしまいます。

そうなると、総会で役員の解任要請があったり、株式が売却され株価が下がったりというマイナスの事態になりかねません。だからこそ、株主名簿の作成はもちろん、更新も大切な会社の義務になるのです。

まとめ

このように、株主名簿は会社にとって非常に重要な資料になります。言い換えると、株主という存在は会社にとって非常に重要な存在であり、その株主への対応の基礎中の基礎が「株主名簿の作成と更新」になるのです。会社経営者はもちろん、総務などの株主に近い人は、この点を改めてよく理解しておくようにしましょう。